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3回目のその最後は、スタバで向かい合って座り、“俺の、味見する?”とカップを差し出された時に終わった。
あれ、と思う間も無く、私は一人で店の前で突っ立っていた。
今思い出しても泣けてくる。トラウマものだ。
宿題も、5分後に真っ新になった。
『(脳内の)思い出は全てあなたのもの!』
などと気取って説明された通り、買い物にせよ彼氏にせよ記憶だけは確かに残っていたので、5分間だけ問題が解けるようにしてとも願ってみた。
記憶が残るならそれで十分じゃん!と、この時ばかりは勝利(?)を確信し悦に入った。
しかし、理解した訳でない解法を記憶し続けることが難しいのは普段通りだった。つまり、5分経過後に丸暗記状態で放り出された私の記憶は、1分保たずに消失した。
その後はもう活用法を考えること自体が億劫になり、いつも通り過ごしている。
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