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…などと準備万端で挑んだにも関わらず、私の出動は空振りに終わった。朝の短学活が始まったからだ。
しかし、思い付きの方向性は間違っていない筈だ。
そう思って、その後も何度かチャレンジしたのに、なかなかうまくいかない。
まずもって、公衆の面前で突然姿を消すわけにいかないため、多賀君の間近で“お願い”できることがなかなかない。
それは5分経過後も同じだ。むしろお願いの効果は何の通知もなく唐突に5分後に消えてしまうことから、姿が戻る適切な場所を求めて時間的な余裕を持って行動することになる。
となると、多賀君の傍にいられるのは長くても2分程度しかないのだ。
それでも!
その数分間、間近で自然に笑う多賀君の顔を眺め、溌剌とした声を堪能できるのだからある意味とても満足だ。
満足、なのだけれど。
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