出来事   

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君はTシャツを着ていたね。だから僕は、夏に出会ったと、ずっとずっと思っているんだ。昔、昔の出来事なのに。夜で、寒そうにしていた君に、そっと上着を手渡した。春だったのかな。秋だったのかな。寒そうだったから、冬だったかもしれないね。1年間の大事な1日の出会いも思い出せないなんて。でもね。覚えてる大事な事が、一つだけあるんだよ。それはね。君の声なんだ。だからね。思い出すために、君の歌声を聴くんだよ。辛い時も、幸せな時も。愛したから、あの時、君だと解ったんだ。愛しているから、君に逢いに行ったんだ。君に触れたくて、手を差し出した。君からも、触れられた事を、今では、僕だけの秘密の物語。これからも永遠に続く物語。本当はね。おかえりを云いたい。
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