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マジか。
「もしかして、中学生?」
刈谷は、俺の質問に、ぷぃっと顔を背けて言った。
「もう、学校は、辞めた」
「はい?」
俺は、言った。
「辞めたって、あれ、確か、義務教育だったんじゃ」
「僕の学校は、そういうのじゃなかったんで」
「そういうのじゃないって・・しゃ、どういうのだよ?」
俺がきくと刈谷は、ぽつぽつと話始めた。
どうやら、刈谷の通っていた学校は、普通の学校じゃなく、中高一貫の私立学校だったらしい。
つまり、いいとこの坊っちゃん方が通う学校だったわけだ。
「何?お前、もしかして、いいとこの子なの?」
「いいとこ?」
刈谷は、少し考え込むと、頷いた。
「うん・・そうかもしれない」
「否定しないのかよ」
俺は、ちょっとフテ気味の刈谷を見つめてきいた。
「お前、なんでホームレスなんてしてたわけ?」
「それ、は・・」
刈谷は、口をつぐんでしまった。
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