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何が、大丈夫なんだよ。
真っ赤になって咳き込んでいる男の背を叩きながら、俺は、言った。
「ほら、言わんこっちゃない。お茶、お茶飲めよ」
「んぅっ」
男は、麦茶を一気に飲み干して、ぷはっと息をついた。そして、今度は、ゆっくりと残ったオムライスを食べていった。
俺は、心配で男が食べ終わるまで隣に座ってじっと見つめていた。
食い終わると男は、俯いて、肩を震わせて、呻き声をあげた。
「う・・うぅっ」
「何?どうしたんだ?」
俺は、男の肩に手を置いて、彼の顔を覗き込んだ。
男は、泣いていた。
俺は、驚いたが、好きなだけ泣かせてやることにした。
きっと、いっぱい、辛いことがあったのに違いない。
俺は、そっと優しく男の背を撫でてやった。
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