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しばらくして、少し、落ち着いた様子の男に、俺は、きいた。
「あんた、名前は?」
「りや・・刈谷 駿」
「かりや しゅん?」
俺は、にっと笑って言った。
「俺は、小暮 雅人、だ」
「まさ・・と」
刈谷は、呟いて、俺に、急に、顔を寄せてきたかと思うと、俺を抱き寄せて、キスしようとした。
「わわっ!」
俺は、全身で抗ったが、如何せん、体格の差は大きくて、そのまま、床に押し倒されてしまった。
俺は、叫んだ。
「何すんだ!この・・」
俺は、刈谷が寝息をたてていることに気付いて、奴を殴ろうと振り上げた手を止めた。
なんとか、刈谷の体の下から逃れようともがいたが、刈谷は、俺を逃すまいとするように、しっかりと押さえ込んだまま、スヤスヤと眠っていた。
俺は、ため息をついた。
だから、野良は、気安く拾ったらダメなんだ。
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