1野良は、気安く拾っちゃだめだ

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しばらくして、少し、落ち着いた様子の男に、俺は、きいた。 「あんた、名前は?」 「りや・・刈谷 駿」 「かりや しゅん?」 俺は、にっと笑って言った。 「俺は、小暮 雅人、だ」 「まさ・・と」 刈谷は、呟いて、俺に、急に、顔を寄せてきたかと思うと、俺を抱き寄せて、キスしようとした。 「わわっ!」 俺は、全身で抗ったが、如何せん、体格の差は大きくて、そのまま、床に押し倒されてしまった。 俺は、叫んだ。 「何すんだ!この・・」 俺は、刈谷が寝息をたてていることに気付いて、奴を殴ろうと振り上げた手を止めた。 なんとか、刈谷の体の下から逃れようともがいたが、刈谷は、俺を逃すまいとするように、しっかりと押さえ込んだまま、スヤスヤと眠っていた。 俺は、ため息をついた。 だから、野良は、気安く拾ったらダメなんだ。
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