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2 マジで野良は、始末が悪い
「すみませんでした」
翌朝、俺のベッドで目覚めた刈谷は、正座して俺に頭を下げた。
あの後、キッチンの床の上で、刈谷にのし掛かられてる俺を発見した兄嫁のすみれさんが兄貴を呼んでくれ、俺は、救出された。
俺の兄貴の克己は、もとラグビー部の、前世はゴリラかっていうぐらい、でかい大男だ。
勉強もできて、ケンカも強い。
兄貴は、俺の理想の男だった。
兄貴は、俺を押し潰している刈谷を軽々と持ち上げると、お姫様だっこで俺の部屋へと運んでくれた。
俺の部屋は、4,5畳のもと物置部屋だった。
一年前に兄貴が結婚して、すみれさんが家に来てからは、そこすら居心地が悪くなってしまっていた。
俺は、早くここを出ていきたいんだが、お袋が学校だけは卒業してくれというので仕方なく家に残っている。
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