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「なんか、真面目でいい子だった弟が、急にぷっつんきて、家出したと思ったら、男の嫁を連れて帰ってきたっていうからな。興味を持たない方がおかしいだろ?」
「俺は、あいつの嫁じゃねぇぞ」
俺は、刈谷兄に言った。刈谷兄は、驚いたような表情を浮かべていたが、すぐに、にやりと笑った。
「じゃあ、俺が、お前のこと口説いても、問題ないわけだな」
「はぁ?」
俺は、刈谷兄のことを睨み付けた。
「ないわけないだろうが!バカか、お前は」
「なんで?」
刈谷兄は、面白い生き物でも見つけたような顔をして俺を見つめて、言った。
「お前は、駿の恋人じゃないんだろう?なら、俺がお前のことを好きになっても、かまわないんだろう」
「なんで、だよ。俺は、男だぞ」
俺がそう言うと、刈谷兄は、言った。
「男色は、うちの家風だからなぁ。お祖父様も御付きの稚児がいるし。逆に、女にしか興味のない親父の方が変わってる」
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