10 野良と新しいお友だち

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はい? 俺は、異次元から来た人間を見るような眼で刈谷兄を見ていた。 何? そういう家系の人たちなの? でも、子孫は、まともに残していってるよね。 ということは。 刈谷もいつかは、女の嫁を貰うってことなのか。 俺は、なぜか、胸の奥がずきんと痛むのを感じていた。 俺は、刈谷にとって、遊び相手に過ぎないのか。 否。 ちょっと、待て。 俺は、なんとか、踏みとどまろうとした。 ヤバいとこだった。 なんか、俺が、刈谷に女ができるのが悲しいみたいなこと、考えるとこだった。 しっかりしろ、俺。 俺は、男、だ。 まだ、大丈夫、だ。 俺は、すみれさんで抜ける。 ふと、俺は、自分を微笑ましげに見つめている刈谷兄に気づいて、奴を睨み付けた。 「なんだよ?」 「いや、別に」 刈谷兄は、そのきき心地よい声で囁くように言った。 「一人で百面相して、かわいいなぁって思って見てただけだ」 「誰が、かわいい、だ」 俺は、ぐぅっと刈谷兄に近づいて、奴を睨んだ。だが、刈谷兄は、俺の隙をついて、俺を抱き締めてきた。そして、耳元で言った。 「本当に、かわいいな、お前は」 「はい?」 「うん、決めた」 刈谷兄は、言った。 「お前を、俺のものにする」 はい?
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