10 野良と新しいお友だち

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俺がその意味不明さに抗議しようとしたとき、刈谷兄は、俺の顎を指で持ち上げて、素早く、俺にキスしてきた。 「んぅっ!」 ねっとりと濃厚な口づけに、俺の理性が飛びかけてくる。その、少しだけ、刈谷と似ているキスに、俺は、酔いしれていた。 「ん・・ふっ・・」 刈谷兄は、そっと俺の唇を啄んで、俺に囁いた。 「弟に伝えておいてくれ。お前は、俺が頂くと」 「そんなこと」 言いかけた俺から身を離すと、刈谷兄は、立ち去っていった。 なんなんだ? 刈谷といい、刈谷兄といい、何、考えてるんだよ。 俺は、刈谷兄にキスされた唇を指先で押さえて思っていた。 俺は、男なのに。 どうして、あいつにキスされて、胸が張り裂けそうに苦しくなるんだろう。
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