1野良は、気安く拾っちゃだめだ

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1野良は、気安く拾っちゃだめだ

俺は、その日も、いつもと同じように川原で野良猫のチーちゃんに餌をやっていた。 チーちゃんは、白黒のハチワレ猫で、この春にこの川原で産まれた5匹の子猫の中で唯一、貰い手のなかった子猫だった。 いわゆる、ぶさかわ。 ちょっとヨロヨロしてるところが、俺からすればかわいいのだが、いまだに、貰い手が見つかっていなかった。 だけど、俺は、親から、きつく言い渡されていた。 野良は、気安く拾っちゃだめだ、と。 だから、チーちゃんは、野良のままなのだった。 「ごめんな、チーちゃん」 俺は、チーちゃんに話しかけながら、煮干しをやっていた。 チーちゃんは、それでもいいの、というように、俺を見上げて、うるにゃんと鳴いた。
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