第10夜

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『澤倉組を関東一の組にしよう』 若かりし日の央一郎と勇吾は二人でそう誓を立てた。 央一郎が組長になってからは、勇吾が右腕として央一郎を支え、澤倉組はめきめきと大きくなり、関東一とはいかないがそれなりに大きくなったのに……。 「あの馬鹿野郎が……」 勇吾の居なくなった澤倉組を、これからは真治と玲央の力を借りて立て直さないといけない。 内輪でこんなとんでもない事件を起こしたのだ。ここから火消しをするにはどうしたら良いのか……央一郎は一人頭を抱えるのだった。 「で、俺へのご褒美は?」 事件のあった数日後、真治は例のバーで赤司と会っていた。 赤司達の拠点は現在藤代組のシマに移ったようだが、赤司は相変わらず澤倉のシマに住んでいる。チームの頭だった筈なのに、自分のチームは放置している状態だ。 「まあ、世話になったな。ありがとよ」 「それだけ?真治さんの為に、俺けっこう頑張ったよ?」 「手伝って貰っといて何だけどお前……何でそんなに俺に懐いてんだ?」 あれだけの情報収集スキルがあれば、どこの組でも喜んで高待遇で赤司を迎え入れるだろう。カタギの仕事だって選り取りみどりではないか。 無償で真治に協力してくれるのが不思議でならない。 「退屈なのは嫌いなんだ。COLORSも飽きてきちゃったところで真治さんに会ってさ。久しぶりにワクワクしたんだよね」 「ワクワク?俺に?」 「楽しそうに俺の仲間をぶちのめしていくのがさ、見てて面白かった。あんたとなら、面白い世界が見られるかなって」
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