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「凄っ!お城と神社?ほんとに砂で……あ、何か術使ったの?」
「そんなことしませんよ。海水で固めて作ったんです。ほとんど那智が」
「那智さん器用だね」
「でもなぁ、城には負けるぞ?見てみろ、ベランダとかまで作ってやがる」
「モデルは俺の城だがな」
「魔界の城って、どんなのだろう?この砂の城にそっくり?」
「城はな。空は赤黒いというか、薄暗い感じだと思ってくれ 」
そんな話をしていると、「ぼく、行ったことあるよ」と可愛い声。
下を見るとしっぽのない犬がすっごい笑顔でこちらを見てくる。
「えっと、ムーくん?」
「うん」よろしくね、と前足を上げているので、握手をしてから改めて見ると、神社の隅に可愛い狐までかざってある。
「これって、煌輝くん?」
「ま、まぁな……あいつは海が好きだから」
そう言って照れ隠ししている那智の影から、煌輝が嬉しそうな顔で砂の城を見ている。
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