夏だ!休みだ!○○で絶叫だ!

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自分は平気だが、1番後ろに乗っているので、揺れはかなり凄いはず。 ゆらゆらと少しずつ動きだし、だんだんと早くなってきた時、向かい側から「こうへーい!」と聞こえてくるが、動いているので何があったのか見えにくい。 しかもこちら側では、「むり!むりー!いやぁぁぁぁぁ!」とまたもや雪翔のなき叫び声。 MAXに上まで勢いよく行ってしばらく止まり、一気に下に揺れ動いた瞬間、「でるー!中身出るー!」と訳の分からない悲鳴。 それなのに……「ヒーッヒッヒッヒ!ヒャーッハッハッハ!」と気持ち悪い喜び声をあげる結月。 バイキングを降りたあとは航平が脱落。 雪翔は連れ回されてさんざん乗せられたあと、締めのお化け屋敷。 「グスッ……こんなに怖い遊園地、僕初めてだよ」 「同感。大丈夫か?」 「うん。今度から結月さんと乗り物は乗らないことにする」 「だよな。にしても、お化け屋敷は平気なのか?」 「だって作り物だもん。ほら、このこんにゃくに見えるやつも、電気で生暖かくしてるんでしょ?お墓だって井戸のところからバーンて出てくるって定番……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 「ちょ、結月さん!天井から出てこない!雪翔、おーい!」 気絶した雪翔の車椅子を押して急いでユーリの所に戻って治癒してもらい、しっかりと結月にお説教をしている横で、航平に説教を食らっている那智。 「なんでお化け屋敷で走って逃げるんですか!見慣れてるくせに!」 「いや、それはだな……」 「雪翔なんて今日の一番の被害者だから!逃げるとかヘタレじゃん」 「おま……親に向かってヘタレだとぉ!」 「──みんなうるさーい!」 急に起き上がって涙ながらに叫ぶ雪翔にみんな謝り、夕食はお肉!と言う雪翔に焼肉を奢ることになった結月。 しかも全員分! 「私の小遣いが……奏太、少し貸してくれ」 「やだ!」 そうして、天満堂とお狐様一行のレジャーは幕を閉じた。
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