ハルは夏が好き

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「あー、すずしー」 彼はコンビニに一目散に駆け込んだ。 そして、手に取ったのはもちろん、あのお高いカップアイス。 持った瞬間、こちらを向いて、いやらしく彼が微笑んだ。 そのあと、私のバイト代が飛んでいく時も、気持ち悪い笑みを浮かべていたアキ。 あれかな。 人のお金で食べる焼き肉は美味しいってやつ。 「やっぱり、家に帰んねぇ?」 「ここまで来て?!」 アキは姿勢を崩さない。 初めて会った時もそうだった。 ああそうだ。あのときも。 そこまで思い出して、コレもついこの前なのか。とハッとする。 あまりにアキとの時間が馴染んでしまって、随分前からの知り合いだったように錯覚をしてしまった。 君は、君でキミじゃない。 アキは、なんでもめんどくさそうで、汗を掻くことは嫌い。 アブラゼミの鳴き声が嫌い、物を多く持ち歩くのも嫌い、私の暑苦しいマシンガントークもそんなに好きじゃない。 けど、最終的には全部聞いてくれる。 それが、今隣にいるアキだ。
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