ハルは夏が好き

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コンビニに、50円のアイスキャンディはなかったから、120円くらいするパインバーにしておいた。 木陰を探すのに少し時間がかかったせいで、彼のクッキーアンドクリームは溶けかかっていて、またお小言を言われた。 でも、アイスを食べている間は、アキも流石に、減らず口が治ったらしい。 黙々と冷たい白黒にスプーンを突き刺す。 私もその横でパインバーを舐めていた。  「私子供が生まれたら、ナツって名前つける」 「は?えらい安直だな?」 「だって、好きなんだもん」 「おい、旦那の意見も聞いてやれよ」 「あ、(ハル)とアキの間に生まれた子ならぴったりだね」 「いや、フユの可能性考えろ……てか、そんな未来、来ねぇし」 「えー、アキくん冷たいー」 ブワっと懐かしい感覚に包まれた。 そうそう、甘くて冷たいアイスと夏の匂い、誰かと話すたわいもない時間。 たまに恋しくなる瞬間。 漠然と蘇ったいつかの記憶。 私が求めていたのは、これだ。
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