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クレイヴァーとスーはそれぞれ部屋に戻り、
こちらも戻ってきたものも二人とも気持ちを切り替えるどころか
険悪さはますますヒートアップしてしまっている。
「あ、あのさ、カイは今日はどうする予定なの?」
「別にぃ・・・たまには部屋でのんびり過ごすのも悪かねーだろ」
「あ・・・そうなんだ、そうだよね!・・・あはは・・・」
カイに話を振ってもめずらしくツンケンされて取りつく島もない、
これは結構重症だ。
ふと後頭部から兄の視線を感じて振り返る。
「お・・・お兄様・・・?」
「そういえばあまり食べて無かったみたいだけどどこか調子でも悪いのか?」
あの状況で平然と食事できるメンタルの持ち主たちと比べられては困る。
「全っ然悪くないよ、むしろよく寝て元気だよ・・・
あのね、どこか出かけない?」
こうなったら外に誘い出し兄のご機嫌をとって仲直りさせようという作戦だ。
ナオヤは苦渋の表情を浮かべ迷いに迷い返答した。
「レリ、お兄ちゃんはすごくすごく、お前と一緒にお出かけがしたい、
でも今日はこの本を読み切るまではこの部屋を出ないと心に決めたんだ」
といってチラリと一瞬鋭い視線を窓の方へ投げかける。
いつもの3倍増しの冷ややかさである。
ちなみにその本は朝食の厚切り食パンを2枚分はありそうな厚そうな上
まだほんの数ページしかページはめくられていない。
部屋から出ないといったカイに謎の対抗意識でも燃やしているのだろうか、
居たたまれなくなったレリエは一時的に戦略的撤退をすることにした。
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