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宿ではお金を工面するための緊急ミーティングが開かれていた。
「だからさ、俺たちみたいな旅人が
手っ取り早く
金を稼ごうと思ったらやっぱりギルドで依頼を受けるのが一番なんだよ」
熱く熱弁する赤毛の男がカイである。
「お前がどこかの飲食店で料理人としてやとってもらうというのはどうだ?」
涼しげな顔でナオヤがしれっと言い放つ。
カイは幼少期から育て親である料理上手な
リタばあちゃんの手伝いをして育ったので
料理はとにかく得意なのだ。
「なんで俺だけ働くみたいになってんだよ!?
俺たちみんなで日銭と、リオレイに渡す金を稼ぐんだっ」
「ギルドって登録が必要なんでしょ?
僕でも依頼を受けたりとか、できるの?」
柔和でどことなく少女めいた顔立ちの子供は
ナオヤの弟レリエだ。
「大丈夫だ問題ない!ギルドバッヂを持ってる俺がリーダーとして
パーティで登録すれば全員で仕事が受けられる」
「お前がリーダーという響きはどうも気に食わないな」
ナオヤはこれまでアドラステア王国の騎士として生きてきたので
わざわざギルドに登録などしてはいないのだ。
「個人個人で登録したほうが1件づつ受けるより効率が良いのではないのですか~?」
ふわふわと少し間の抜けた声の主はスーという
ミセリアという村の聖職者だ。
そのかわいらしい見た目からは想像できないほどの大食漢である。
そして自の食費がかさむことを案じていた。
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