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夜の洞窟特有の湿った冷えきった空気、ホコリっぽい匂いは
時間が経つにつれ地味に体力を削ってくる。
カイ達は洞窟の奥に生えているヒカリゴケの夜露を集める依頼を受けたのだ。
あわよくば道中で売り物になる物や魔物から角や爪を採取することができれば少しは良い稼ぎになるかもと踏んでのことだった。
洞窟内での戦闘は地形上の問題と
天術士のレリエがいることで全員魔力が増幅されているため
(しかも時間帯は夜、最もバフがかかっている状態だ)
しかし、うかつに魔術を使うと洞窟を崩壊させてしまうという
危険もあったのでここまで
地味な戦いだけでやり過ごしてきていた。
「情報屋から洞窟の地図まで買ってんだから、
その分も取り戻さないといけないってのに
一体いつになったらつくんだーーーぁーーーぁーーーー?」
カイの叫び声が洞窟の中でこだまする。
「ばかっ大きな声を出すな!響くしまた魔物たちが寄ってくるだろうが」
バシンッッ!!
「痛って、いまのでHP半分くらいに減ったかも」
「えぇ~大丈夫ですか~?回復しますぅ~?」
「スー、本気にするな放っておけ、次の分岐を過ぎたらもうヒカリゴケの群生地だ」
「あぁ~俺もクレイヴァーと一緒に馬車の護衛にまわればよかった、
あいつギルドバッジ持ってたなんて一言も言ってなかったのによ」
「別に十分ありえるだろう、
彼は一人で東の大陸から旅を続けてきたらしいから、
お前よりランクが高くても当然だな」
「本っっ当嫌味なヤツ・・・」
クレイヴァーの一番の武器である長棍は洞窟では役に立たないと言って
一人別の依頼を受けていたのだった。
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