ソラニア冒険奇譚

1話-ヒカリゴケの夜露を集めて

「うわぁこれは・・・スゴイな・・・」

目の前に現れたあまりの幻想的な光景に二人は思わず言葉を失った。
暗闇の洞窟の壁に一面に生えた苔はほんのりと淡い緑の光を放ち
苔から染み出した夜露が丸く苔のそこかしこの上に溜まり
真珠のように輝いていた。

「これがヒカリゴケの夜露・・・こんな風にできるんだね、ホンモノを見るのは初めてだよ・・・」
村から出たことの無かった箱入り育ちのレリには
この旅でほとんどのことが初体験である。

「この夜露はマジックアイテムか何かの材料になるんだっけ？」
「うん、いろいろな物に使われるけど特に高位の回復系の薬
の一つで結構貴重なんだよ」
「へぇ～」

関心している場合ではない、背後の方でガチャガチャと戦闘を繰り広げる音が聞こえている。

「さっさと集めてここを出よう」
「うん」