第1章 始

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 ジェットは話始めた。自分の存在とこの世界について。 「そうだねぇ…どのあたりから話そうか…君と同じなんだよ。この世界に来たのは。」 「どういうこと?」 「そもそもこの世界についてはあまりわかっていないけど、より詳しく知ってるやつに本当は教わるはずだった…」 「ん?待って…やつ?他にもいたの?…誰か。」 「うん。いたよ。いろんな人が…色んな形で…」 「でも、ここにはいないが…」 「それは他の客車にいってないからでしょ?」 「まぁ確かに…」 「まぁでもこの世界について話すんだったら…」 「私が話そう。」 騙し討ちするかのように何もないところから男声が飛んどきた。それに体が反応して、思わず声を上げる。 「ん!?」 その声の方向にXXXが目をやると、ジェットが座ってる椅子の背もたれに右手を置き、左手で名前が記載されてない本を持っている男。服装はきっちりと黒のスーツを着こなし、丸メガネをして両手に手袋を着用している。見るからに真面目という言葉が似合う。が、少し冷酷か哀かは判断が難しいが何か視線でXXXに訴えるように感じるジェット。 (…そんな目をするとは…) そんな思いを殺し、ジェットは男に口を開いた。 「なんだ、ブックか…」 「なんだとは失礼ですねぇ」 くいっとメガネを上げて、少し嫌悪の目線を送るブック。それに反しジェットは慌ててすぐさま謝罪をする。 「いやいや、いつも10号車にいるから…普通だと思って…ね?」 「だからと言ってなんだとは失礼だとは思わないんですか?」 「全く」 「はぁぁぁ?あなたは私を何と思ってるんですか?」 「口うるさい鳥」 「へぇ…ガスマスクつけてヒトの顔すら明かさない得体のしれない者より鳥の方がマシだと思いますけど…」 「なんだと?」 そんなやりとりをして、XXXは蚊帳の外のような扱いをされて、豆鉄砲を食らったような顔しかできなかった。だが何か話さないと…と思ってもなかなか行きづらい。それもそのはず二人ともかなり話が熱狂してなかなか終わらず、さっきの説明とやらに全く話が進まないのだ。 「だから私が説明しようと言ったのではないですか!」 「はぁぁ?最初に出会ったのは俺なんだから俺だろ!最初に出会ったやつが説明するのが定番だろ。」 「そんなルールなんてありません!そもそも最初に出会ったってただタイミングがいいだけで説明する時の大部分が私でしたよね?何を今さら最初にだなんて…フッ反吐が出ますねぇ。」 「はぁ?あのなそういう説明に…」 まるで兄弟喧嘩をするようにしかXXXには見えないその光景。その光景に刺す者がいた。その者は9号車とでかでかと描かれたドアからドアノブを下げてゆっくりとスーッと開けてやってくる。静かではあったが、そのドアが動く様子をXXXは見て、顔の方向を2人からドアの方向へと向けた。口論をしている中堂々と割って入るように10号車に入ってくる。その様子はまるで皇帝、その口喧嘩が披露されている中に舞い降りたその者。一つの声で二人は時を止めるように体と口を止めた。 「ここで何をしてる?」 その声は母親のように止めるようにも、冷酷に止めるようにも見える星のマークを着けた帽子を被る女。その容姿はサラリーマンと違ったネイビーのスーツに赤色のネクタイ、袖の先には金色の2本のライン。胸ポケットにペンを携えて肩から首にかけて赤色の一本の太いラインが引かれている。まさに見た目は車掌である。その車掌の風貌した女声に2人は爆弾を解除するかのように慎重にゆっくりと体を向ける。2人に向けた先には呆れた目をした人が仁王立ちで立っていた。 「もう一度聞く。一体ここで何を騒いでいる?」 「テンさんこそなぜここの場所へ?」 「いや騒いでたからだろ。」 鋭く突っ込むジェット。 「そ、そうだねー。そう言ってたねぇ...」 それに渋い顔をすることしかブック。そのやりとりを見てテンは1つため息をして... 「大体概ね検討つくが、どう言う事だ?」 それに慌てて説明をするブルック。 「新しく招かれたので....説明を...してましてえぇぇ」 「何のだ?」 「えーと...ですね。」 「この世界についてだ。」 ブックの様子を見て黙っているのが我慢できず、ジェットが口を挟む。ジェットが挟んだ言葉にブックは少し驚いた。 「ジェット!」 「ブック…テンさんに嘘は通用しないって。」 「…そうだね…そうだったね。」 「とりあえず、世界については私が話そう。」 「え?テンさんが!?」 二人は驚いた。テンポがよかったのか二人のセリフがばっちり合う。 「なんだ?不服か?」 「いえ…」 「別に…」 ブックはXXXに手を差し伸ばして… 「こちらの方が嫌でなければ…」 三人の視線は一気にXXXに集まり、思わず声を漏らす。 「え?」 「なんだ?嫌なのか?」 テンのやや高圧な気配と二人の疲れたような目がXXXの口からいいえと言わせざるをえない状況にさせた。 「いいえ、嫌じゃ…ないです。」 「それじゃ…本人からも許可がでたし、いいよな?」 「はい…」 二人はさっきの威勢とは違い、爪を剥がされた虎のようになっていた。そしてその様子を目に捕らえるの確認した後、XXXの前の椅子に座り込む。 「さぁ…教えようか…この世界について…」
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