疾風女子

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疾風女子

当初向かう先は 大恵ノ神社 猫の集会所とされる場所だ 美晴は全力でこぎ始める 「ファーストギア…」 少し進んで変速 カチカチッ「セカンド…サード!」 そしてまた変速 徐々にスピードを上げていく カチッ「フォースギア!」 「ねぇねぇ、美晴」 「ん?」 「サードだのフォースだの、口に出す必要あんのかい?」 「まぁまぁ気持ちだよ、気持ち!こーいうのはテンション上げてかないとさ!」 「ふーん…あのさ、中二病臭いからやめた方がいいと思うよ?はっきり言ってキモい…」 カチカチッ「MAXギア!!!」 猫丸の言葉など無視してトップスピードとなった美晴の自転車はまさに疾風の如く凄まじい物だった 国道、林道、山道、あらゆる道を減速なしで駆け抜ける かごに乗っている猫丸の顔が物凄い風圧のせいで顔の肉がずり上がっていた 「おごごごご…」 数秒後 大恵ノ神社に到着し そこで放心状態中である猫丸をかごから降ろした 毛が逆立ってふっくらしている 目を見開き放心状態 しかし時間がないため彼には構っていられない 脈があることをたしかめて 「ほいじゃ!」 美晴はすぐさま自転車に股がり学校に向けて走り出した タイムリミットまであと(わず)か お願い…間に合って!
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