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あれから壮一は例の脱線事故ついて調べた。ただ、犠牲者の年齢や性別は様々だ。かの少年の待ち人が誰かはさっぱりわからない。彼の同年代の少年少女もいれば、親世代だろう者もいる。
そも、あの少年が本当に脱線事故の犠牲者を待っているとは限らない。それこそ、ただの願掛けだってありえるではないか。若者の流行は突飛なものも多いし、と今日も声をかけそこねた息子を思う。
「それはないか」
いつだって、あの少年は十時の列車を笑顔で迎えていた。あの笑顔がただの願掛けであるはずがない。
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