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まろんと一緒にいると、時間の感覚がなくなってしまう。
いつの間にか、部屋の中は暗くなっていた。
空は夕暮れ。
ひぐらしの鳴く声が聞こえる。
部屋の照明をつけた。
部屋が明るくなってから気づいた。
まろんの猫耳が透けていることに。
「まさか、もう…。嘘だろ…」
まろんは窓から見える夕焼けを見上げた。
自分が帰るべき場所を探してるみたいに。
「まろん、いかないでくれ。
お願いだから、ずっと僕のそばにいてくれ」
せっかく戻ってきてくれたのに。
やっと再会できたのに。
無意識のうちに涙が一筋、ほおを流れ落ちていた。僕はもう、まろんのいない日常には耐えられない。
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