8月15日

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「ごめんな、心配させて」  そういえばまろんは、僕の体調が悪い時はとことことそばに来て、見守ってくれる猫だった。僕が元気な時にはとことん塩対応だが、弱ってる時は優しかった。  どうしてまろんが戻ってきてくれたのか、ようやく分かった。  きっと空の上で、弱っている僕を見つけたから。「まったく、いつまで落ち込んでんだにゃ」なんて言いながら、空から降りてきてくれたんだ。  だったら伝えるべき事は「いかないで」でも「ごめん」でもない。 「ありがとう、まろん」  伝えた瞬間、どっと涙があふれてきた。  今まで押し込んでいた気持ちのすべてが、滴となってあふれてくる。  にじんだ視界の中で、まろんは花のように笑った。 「どういたしましてにゃ」  ごしごしと目をこすり、再び顔をあげた時。  もうまろんはいなかった。  部屋にはゆかたと、髪かざりの鈴だけが残っていた。
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