ヤング誌

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ヤング誌

「すんげぇな……」  だらしない顔をした友人3人がヤング誌を眺めていた。  事の発端はある奴が夏祭りに女子とデートの約束をしたという話を聞き、嫉妬した友人が中学のグラウンドでサッカーボールに座りながら「エロ本買いに行かね?」と言い出したのだ。  4人で割り勘という話になり、買いに行くやつをジャンケンで決めた。負けた奴が家から妙に気取ったつば付きの帽子を持ってきて、普段行かない、少し離れたコンビニへと向かった。  順番とタイミング的に高校生ぐらいのお姉さんの方に行きそうだったのか、直前で買い忘れがあったかのように「あ、そうだ」とわざとらしくつぶやいては離れ、タイミングを見計らっていた友人を見て笑っていた。  しかし、会計を済ませて戻ってきた友人の手にはエロ本ではなく、ヤング誌が握られていた。いわく「恥ずかしかった」らしい。 「爆乳だな……」 「やべぇよな……」 「こんな胸にうずくまりてぇなぁ……」  ぶつぶつ文句を言っていた友人たちは、それでも楽しんでいる様子だ。  おそらく脳内では下着が消えているに違いない。そしてあんなことやこんなことをしているだろう。みんな妄想力は凄まじいらしい。
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