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歩いて15分ぐらい経ったあたりで小春は寝息を立てていた。気持ちよさそうに僕に全身を遠慮なく預けている。胸って本当に柔らかいんだなって思った。
それよりも僕は気になることがあるのだ。
わざと軽く揺すり、寝ていることを確認する。「ん」と呻き声を漏らすがすぐに寝息が聞こえてくる。
おそるおそる太腿を滑らせ、彼女の膝裏を抱える。
「あぁ……」と声が漏れた。
手にはまるフィット感、骨の上を肉がすべる感触、柔らかさ、肌の滑らかさ、体温、そのどれもが僕を内から湧き上がらせた。少しずつずらしながら感触をたしかめていた。
顔が熱くなるのを感じた。決して暑いとかそういうのではない。カーッと恥ずかしい時に感じるような感覚。
「ん……、ついた?」
小春が目を覚ました。咄嗟に背負い直してのポジションをごまかす。「あぁ」と急いで返事をした。しかし、まだついてはいない。
「もう少しだよ」
「そっか」
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