ヤング誌

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「なあ、(りつ)はこの爆乳とまな板どっちがいい?」 「どっちも興味ない」 「恥ずかしがるなよ! 秘密にしといてやっから、それとも、こっちか?」  エロ本を指さし、ニタニタといやらしい笑みを浮かべていた。頬が異常なまでに吊り上がり、気持ち悪い。 「だから、興味ないって」 「はい、出ました、彼女持ちの余裕」 「どうせ明日の夏祭りにも行くんだろ羨ましい」 「そしてその後……、なぁ、もうヤったのか?」 「どうだった? やっぱり……いいのか?」  ヤング誌そっちのけでぐいぐい迫ってくる。まるで餌に群がる鯉みたいだ。 「言うわけないだろ」 「ち、つまんねぇな」 「でもいいよな。かわいくて」 「俺だったら……、へへ、へへ、へ」 「おい人の彼女で妄想するな」  僕の彼女は一応可愛い部類に入るらしい。といっても幼稚園からずっと一緒なのでよくわからなかった。芸能人とかに比べると月とすっぽんだし、他のクラスにもかわいい子はいるし。 「なんだよ、妄想の中ぐらいいいだろ」 「よくねーよ」 「ケチ」  そしてなめまわすようにヤング誌を見た後、誰が持って帰るかで言い合いになり、結局公園の奥に隠して誰でも見れるようにした。
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