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幼い頃、誰かの叫ぶような声で目を覚ました。何事かと思い、恐る恐る声のする方に向かった。
父の部屋だった。開けようとすると、内側からカギがかけられており開けることはできなかった。
父の声も聞こえた。僕は怖くて、毛布にくるまり、耳を塞ぎながら眠った。
朝、両親はいつも通りだった。
うるさかったけど何をしてたのと聞いた。そしたら「夢でも見てたんじゃないの?」としか言わない。
何かを隠している。
そう感じた僕は小春の両親にも聞いた。しかし、何も教えてくれず「そのことを他の人に話しても聞いてもダメ」と怒られた。
小春話すと、
「きっと私たちに隠れてゲームしてるんだよ」
と言い出し、そのゲームを探すために父の部屋に入った。
僕たちは1枚のDVDを見つけた。白いケースに入っていて、何かわからない。これに違いないと思い二人でこっそり見ることにした。
裸の男女が一心不乱に交わっていた。小春は顔を真っ赤にして見ないようにしてるふりをしながら食い入るように見ていた。
そして終わると「大人ってすごい……」と感想を漏らしていた。「ね?」と振られたが僕は何も感じなかった。小春がトイレに行っている間、何がすごいのかを考えていた。それでもわからない。
そしてこのことは二人の秘密だと約束した。
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