嫌悪感

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嫌悪感

「あ、クジ」  かき氷を買ってふらふら歩いていたが小春がついに見つけてしまった。 「ダメだ」 「なんで?」 「お前当たるまでつぎ込むだろ」  小学生のころ、もらった1,000円を全てつぎ込み、ご飯代と飲み物代を僕のから出したことがある。去年も一昨年もそうだった。いい加減成長してもらわないと。欲しいものもあるし無駄遣いできないのだ。 「お母さんみたい」 「保護者を任されているからな」 「頼りない」  うへっと舌を出した。中心が青く染まっている。 「それならーー」 「おぉっとごめんよぉ」  後ろから金髪の男が小春にぶつかった。かき氷が地面に落ちる。 「--!」  倒れそうになった彼女は男に抱きかかえられて何とか持ちこたえていたが、男の手はがっしりと胸を掴んでいた。
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