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木兎光太郎②
「ぶっかつぶっかつ ~」
ホームルーム後、体育館へと向かう。
すると女子生徒の声が。
体育館裏。ここは告白スポットでもある。
だから慣れてはいるんだけれど、つい気になっちゃうんだよな。
「好きです!付き合ってください!」
(今回は女子が告白する側か ~
イケメンかな…))
そう思い覗いてみると、
「あ ~ … えッと … 」
((赤葦!?))
そこには髪を掻き乍 戸惑う彼、
赤葦京治がいた。
「俺のどんな所が好きなの ?」
「赤葦くんは他の人よりしっかりしてて、皆の頼りになる存在で…
バレー部でも、2年生なのに副キャプテンで、司令塔で…」
と、思い当たる 赤葦京治 を語る女子。
そんな事俺の方が知ってるのに。
「気持ちは嬉しいんだけど、ごめん。
俺好きな人居るんだよね。」
「やっぱり…いつもあの人の事見てるもんね…」
((えッ))
俺は、彼に好きな人がいることなんて知らなかった。
なのに女子生徒は気がついていた。
まだまだ、未熟だなあ。
「うん…ごめん…」
「いいよ、部活行く途中だったのに行成声掛けた私の方が悪いし…
困らせちゃったよね」
と、苦笑する彼女。
あれ?そういえば赤葦、今朝…
『あ、それと木兎さん。
俺、今日遅れるので先にネット張ってて貰えますか 。』
って言ってたはずじゃ…
「じゃあ、俺行くから。」
俺は、まだ彼の嘘に気がついていなかった。
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