4月のしげる

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『さぁ、中に入って』 駐車場から直通のエレベーターに乗り、マンションの一室に入った。 『スリッパ、借ります』 『どうぞ、あっ、変な真似はしないでね?』 『変な真似って…』 カーテンは閉まっていた。 『はい、手袋して』 『手袋?』 『証拠は一切残したくないの、貴方もプロの端くれでしょう?』 『プロって…私は…本当に佐々木しげるなのか?完全に間違われている…よな…』 しげるは、この場をどう切り抜けるか考えていた。 『ペットのお茶しかないけど、それでいい?』 女が言った。 『はい…あの、バイト先に連絡していいですか?』 『それは無理ね、探知されちゃうから…貴方のボスの居場所が知られたら困るでしょう?』 『うーん、ボスって誰だよ…』 しげるが呟いた。 『本題に入るけど…貴方の描いた絵のUSBメモリ、早く渡してちょうだい』 『えっ?』 『こちらはもう、支払い終えているんだから…早く出して!』 女が言った。
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