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4月のしげる
『貴方、本当に佐々木しげるなの?』
スラッとして、背の高い女が言った。
『えっ?そうだけど…』
しげるは言った。
『まぁいいわ…』
女は、サングラスを外した。
かなりの美人である。
『それで…』
『それで…じゃなくて、早く出してくれる?』
女は手を前に出した。
『いや、その…何を言ってるのか…』
しげるは困惑した。
『また、冗談を…』
『ほっ、本当に!』
『貴方、馬鹿にしてるの?』
女のトーンが少し変わった。
『いや、私がなんでここにいるのか…心当たりが無くて…』
地下の駐車場である事は分かっていた。
『仕方ないわね…一緒に来てもらうわ』
『プシュ!キーン!』
『危ない!車に乗って!』
『えっと…』
『早くして!』
女は、しげるの腕を掴み、助手席に押し込んだ。
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