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Entertainment
気を取り直して言い訳を続ける。
「それに、これは遊びなんですよ?勿論相手もそれを分かってて、お互いラフな関係性のまま性欲も満たされる。最高じゃないですか」
いっそ自信気に俺がそう言うと、彼はんー、と穏やかに唸った。
「まあそりゃあ言えてるわな。というかそもそも、俺は別に反対してるわけじゃない。だが気を付けろよ、どうやらお前は一途みたいだからな」
「...どういう意味です?」
少しむっとして返すと、肩を竦めた彼は言った。
「そのまんまの意味だよ。一度堕ちたら、もう戻れなくなることは目に見えてる」
いやに真剣な言い方だ。
まるでそれが予言であるかのように聞こえて、背中が冷えた。
それを察するかのように、彼は笑って続ける。
「ま、大丈夫だよ。お前は優秀な鉄砲打ちらしいからな。仕留める方が得意だろ」
銃を打つ真似をしながら言う彼。俺が銃を扱う副職をしていることも知っているってわけか。やはりこの人には敵わないな、と内心で辟易する。
先程の悪寒も消え、俺もつい笑ってしまった。
「さて、と。余談はさておき、本題に入ろうか」
「やっぱり話があるんじゃないですか」
俺が愚痴ると、彼は言う。
「用がないとは言ってないだろ?」
それに俺は苦笑し、手招きされるがままデスクに近づく。
「これを見ろ」
彼が気持ち強張った面持ちでこれ、と形容したのは、パソコンの画面だった。気軽な気持ちでそれを覗きこむ。しかしそこに映っていたのは、衝撃的な内容の文書だった。
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