0人が本棚に入れています
本棚に追加
1999年。インターネット黎明期。テレビ、新聞が情報の全てと言っても過言ではなかった時代。人類滅亡を予言したノストラダムスの大予言はメディアにとって数字を取るための格好の話題であった。日本人はメディアに切り取られた一部の情報に踊らされ、恐怖し、同時に楽しんだ。
そして人類は予言の時を迎える。人々の興味はピークとなり、国中が異様な雰囲気に包まれていた。しかし、予言は外れ人々の熱は急激に冷めた。まるで何もなかったかのように。
―――
それからインターネット、デジタル技術の発達により急激にオカルト文化は衰退した。超常現象、未確認生物、都市伝説は尽く否定された。
科学技術が発達する中で、AIや宇宙技術がさらなる発達をとげているのは周知のとおりである。
―――
宇宙技術開発セントラル太陽系研究室
ここではスタッフが慌しく動いていた。室長の星野は部下の報告に聞き入っていた。
「我々が使ってきた西暦には大きな誤差があります」
これは大発見だとスタッフたちは声を上げた。その中で星野の部下は付け加える。
「僕のカップうどんができる頃に人類は太陽フレアによって滅亡します」
声を荒げた部下が立ち上がると、首から下げたIDカードがゆれる。海外研究員「野須戸ラダムス」それが彼の名前だった。
最初のコメントを投稿しよう!