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琴花は小夏と同じ大学に通う一学年上の一応、先輩だ。
小夏も琴花も姿かたちは女性でお互いを友人として認識している。
しかし、小夏の内側に存在する感情のかたちはそれだけにとどまらない。
女同士だけど、小夏は琴花に恋をしている。
琴花のことを恋愛感情として愛おしく思っている。
つまり、小夏の今の状況は、自分の好きな女性が自分の横で眠っているという嬉しくて怖くてびっくり、といった事態だ。
なんでこんなことに! 何か間違いをしてしまったのか!
小夏は焦って頭を抱える。
だが、ふと昨日のことを思い出した。
昨日は、琴花の部屋で一緒に今年度の時間割を組んでいた。この四月で、小夏は大学二年生に、琴花は大学三年生になっていた。今年度もまた履修登録に頭を悩ませなければならない。
時間割を考えるのは、少し面倒くさいと小夏は思っている。受けたい講義もあるけれど、出席点だけでなんとかなるような簡単な授業も入れておきたい。そう考えて、一応は一年先輩である琴花に授業選択のアドバイスをもらおうと思っていたのだ。もちろん、好きな人と一緒にいたい、という下心もあった。
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