小夏の心

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 これが簡単だよ、これは面白いよ、などと、先輩らしく小夏に教えてくれた琴花だったがしばらくすると飽きたようで、酒と桃ジュース、それからポテトチップスとおはぎをそれぞれ取り出し、床に直に置いた。そして、テレビを観始めた。 小夏は琴花ののんびりとした自然なふるまいに脱力したものの、履修登録のことを考え続けて疲れていたので横に並んで一緒にテレビを観ることにした。履修登録と全く関係ないことを話して、テレビを見て、お風呂に入って、それから深夜アニメまでチェックして。  そして、琴花に誘われるまま、琴花のベッドで二人並んで寝た。 ベッドにきっちりと収まってから、琴花は「狭いね」と単的に言ってにやにやと笑った。 小夏はその表情に胸を打たれていたので、上手く笑い返せなかった。  琴花のショートボブの髪が頬に垂れ下がっている。反対側の髪は頬とシーツに挟まれ、きっと派手な寝癖ができているだろう。 口紅を塗らない小さな唇は、いつも色素の薄いピンク色。 閉じられた瞼を縁取る睫毛は短いが、隙間なく揃っていて緻密だ。マスカラを塗ると映えるのになぁ、と小夏は密かに思っている。 「綺麗な顔……」
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