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おかしだしまき
チャイムが鳴ると同時に、友人達が集まってきた。
「すぅーみぃー」
3人共気だるい雰囲気を両肩に背負い、だらだらと歩いてくる。
彼らこそ弁当を狙ってくるとんびーずの筆頭なのだ。
ふふふ、と俺は不敵に笑って立ち上がる。
「今日から貴様らの分はない!」
「はぁ!?」
「彼女でも出来た?」
「腹へったぁ」
おしい!2番目の奴、非常におしい。
「泰方さんとお昼ご飯を食べることになった」
まだ付き合ってないけど、いずれそうなればと思う。
どうだ、と腰に手を当てて親指を立てた。
これに対する3人の反応は、上から順に次の通りである。邪道ではあるが、ここではあえて絵文字で表現させて頂こう。
「( ̄▽ ̄)」
「(´・∀・)」
「ヾ(゚▽゚*)」
なにこの冷たい世界。
どいつもこいつもぱっとしない顔をしやがって。
くそ、と俺は机を叩いた。
「何なんお前ら!」
今までの恩を忘れたか、と吐き捨てると、とんびーずは表情はそのまま、口々に言い募った。
「いやいや、鷲見クンへたれだし」
「まぁ、頑張って」
「からあげ食べたーい」
応援しようという気持ちが微塵も感じられない。
最後の奴に関しては無関心すぎる。そんなに唐揚げが好きか、この野郎。
「なんだよ、もうっ……」
怒りにうち震えながら鞄を抱き締めた。
「今に見てろよ!泰方さんを俺でしか満足できない胃袋にしてやるからな!」
馬鹿馬鹿馬ー鹿!
低俗な罵声を浴びせて、光と同じくらいの速さで教室を飛び出した。
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