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「わたし、赤ちゃんができたみたい」
飲食業である程度の収益が出るようになり、籍だけ入れておいて、もっと儲かるようになったら結婚式をしようと約束をして、いっしょに暮し出した。
半年が過ぎたころ咲希子がそうつぶやいた。
とても驚いたが、それはもううれしかった。うれしくてうれしくて何も手につかない。咲希子を思い切り抱きしめたい気持ち、だけども、どこまで力を入れていいものか、もしそれでお腹の赤ちゃんに何かあったらと思うと、うっかり触れることも気をつけるようにしなくては。
咲希子には万全の態勢で出産してもらいたい。そのためには、いっしょにいられる時間を増やさないとダメだ。早速アルバイトをもうひとり雇った。
極力、咲希子のそばにいよう。これで万が一の時も安心だ。
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