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メニュー開発は大変な作業だ。まずくてはいけないが、この飽食の時代、味の足し算だけではもう先駆者がいる。その隙間を狙ってアイデアを出さなくてはならない。奇をてらって、何にでも生クリームやチョコレートではゲテモノだ。ステーキに生クリーム、寿司にチョコ。バカげてる。とはいえ新しいものがなければ店の新鮮さが失われる。新鮮さを得るために内装を定期的に変えるなんてのはコスト的に見合わない。ならばエンターテイメントで仕掛けるか。度数の高い酒に火をつけるか、花火を仕込む。凍らせるか、光らせる。しばらくのつなぎにはなるかもしれないが、飽きられたらただの安っぽい店だったと言われるのがオチだ。忘れ去られたほうが得なのか。だが、そんなのを目指してるわけじゃない。
愛する妻と子供の元に毎日帰るのが第一義なのだ。
そう簡単に定番の味は得られない。老舗の味と言われるまでにはどれほどの月日が必要か。いや、その老舗になれるまでずっと営業するための商品が必要なのだ。
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