ねむりにつく前に

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 そこで考えた。無いなら買えばいい。  つまり、老舗と呼ばれる店はいくつもある。中には跡継ぎ問題をかかえてるところもある。  敵対的な買収では悪いウワサがたってしまい店の評判が落ちる。それに金がかかり、私の性格的にも向かない。  そこで、パッケージとして店の管理及び人材の派遣、味の継承、味の秘密保持。尚且つ、事情が変わり跡継ぎを血縁者や誰かほかに指名したいとなれば、権利を買い戻すこともできるようにしておく。  ここまでしておけば、妻や子供との時間が持てる。  早速、今いるアルバイトの子たちを教育し、営業に当たらせた。するとどうだろう。これが当たった。もちろん私だけのアイデアだけではダメだっただろう。アルバイトの子たちが優秀だった。実際の現場からのフィードバック。更なるアイデア。会議を重ね、精査し、吟味し、昇華させていってくれた。  そして何より、人当たりが良かった。人間がかわいがられた。
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