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はぁ、と露希はため息をついた。
前までは、Ωのフェロモンで多少の見た目はごまかせたのだが。
「もうダメ。今夜は具合悪い」
メインストリートから離れた路地裏奥で、露希は横になった。
拾った新聞紙に丸まって、震えながら眠ろうとがんばった。
「ダメ……、寒い。気持ち悪い……」
それでも何とかまどろみかけた時、突然わき腹を蹴られた。
「おい、ここで勝手に寝るんじゃねぇ」
「う……」
「見ない顔だな。よそ者かぁ?」
髪はオールバックに固めてピアスを着け、派手な服装の青年が、子分と思われる男数人と立っている。
半袖から覗く腕には、ご丁寧にタトゥーまで施してあった。
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