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「誠さん」
「すまない。眠たかったか?」
ううん、と露希は首を横に振った。
「今夜は、徹夜したいくらい」
「私は、もう降参だ。露希ほど若くないからな」
やだなぁ、と露希は誠に肌を擦り付けた。
「エッチしなくても、こうしてるだけで僕は嬉しいんだから」
「そうか」
「そうだよ」
誠は、そんな露希を抱き返した。
この愛する小さな鳥は、明日私の手から奪われ籠に入れられてしまうんだな。
抗えない、現実。
頭の切れる誠は、露希を手放さなくてもいい方法をいろいろと思案していた。
だが、どれも不可能だ。
中嶋組の手からは、逃れられない。
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