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大きな日本式邸宅の、長い廊下を渡って三人は組長の元へ向かった。
着いた座敷はやたらと広く、上座には立派な床の間が広がっていた。
高価そうな掛け軸、美しい生け花、時代がかった壺。
そして、それらを背景に、組長である中嶋が座っていた。
(組長さん、思ってたより若い)
露希の想像では、和服で初老の太った男性だった組長。
じっさいに会ってみると、まだ50代くらいで筋肉質の、きりりとした男だった。
服装も、スーツだ。
露希がそのギャップを脳内修正している間に他の人間も寄り合い、上納金が納められ始めた。
次々と読み上げられてゆく、金額。
露希は、最初は足し算をしていたが、途中で諦めた。
とにかく、破格の金が組長の元に集められているのだ。
それだけで、この組の力を知るには充分だった。
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