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「これだけの上玉なら、神崎にもお似合いだ。外山、ご苦労だったな」
「親父さん、では藤川 露希を神崎への餞別として認めていただけますか?」
「いいだろう」
周囲から、拍手が沸いた。
「え? は?」
言葉を失う誠に、中嶋はにやりと笑った。
「三十路も半ば過ぎ、いいかげん所帯を持ってもいい頃だろう。なぁ、神崎」
「で、では!?」
「お前にぴったりの嫁さんはいないかと、外山に以前から話しておったのよ」
外山が、誠を肘でどついた。
「イヤだ、とは言わせんぞ。一ヶ月、あれだけべたべたしていては、なぁ?」
「外山さん、何もかもご存じで!?」
「私は人の気配を感じ取ることが得意だが、自分の気配を消すことも得意でね」
観覧車でヤり始めた時は、さすがに呆れた、と言うと、仲間内から失笑が沸いた。
誠は真っ赤になって、話題を変えようと必死になった。
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