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「お前たち、今、相当気分が盛り上がっているかもしれないが。
それは二人でピンチを乗り越えたという高揚感から盛り上がってるだけだぞ。
地に足をつけてから、もう一度、ちゃんとお互い向き合ってみろよ。
こういうこと言われると、うるさいと思うだろうが、それが家族の役割だからな。
俺はいつでもお前を見守ってるぞ、胡麻子」
「あ、ありがとうっ。
お兄ちゃんっ」
と昔、フライパンで殴られた恨みも忘れるくらい感動した胡麻子だったが、そこに、
「ありがとうございます!
どうぞ、こちらでおやすみください。
冷たいお茶とお菓子が用意してありますので」
と言って、総務一の美女が兄を迎えに来た。
他の手が空いている人たちはもうそちらに移動していたようだった。
「あ、ありがとうございます~」
と兄はすぐに兄としての役割とやらを忘れ、笑顔で美女について行ってしまった。
家族の愛は……と思い、胡麻子が見送っていると、研介が言ってくる。
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