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「格好いいな、お兄さん」
えっ?
格好いいですか?
すぐに妹への愛を忘れるあれが?
と胡麻子は思ったが、
「働く男って感じで」
と言いながら、美女と去りゆく兄の背を研介は見ている。
「課長も働く男って感じで。
……課長の背中も格好いいです」
そう胡麻子が言ったとき、
「上原さんも課長もいらしてください」
と美女が振り向き言ってきた。
二人は兄たちから少し距離をとり、廊下を歩く。
「……ところで、上原。
もう告白はしないのか」
と照れたように、こちらを見ずに研介が訊いてきた。
「し、しましょうか」
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