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「いやいやいやっ」
「なに言ってんだ、お前はっ」
と研介に腕をつかまれ、聞いていたらしい兄に止められた。
いや、もう一度、ピンチになったら、盛り上がるかと思ったのだ。
それを聞いた研介が、
「すまない。
すぐに返事しなくて」
と謝ってきた。
「可愛いくしゃみとは、どんなくしゃみだったのだろうか。
もう一度俺に出せるだろうかと不安になって。
おにいさん、どうやったら、上原が好むような可愛いくしゃみが出せますかね?」
そう研介が訊くと、兄は振り返り、冷ややかな目でこちらを見て言ってきた。
「……俺が予言してやろう。
くしゃみが出ようが出まいが、お前らは必ず上手くいく」
「なんでですか?」
と問うふたりに、
「いや、お前ら、頭の中そっくりだよっ。
似た者夫婦で上手くいくんじゃねえかっ?」
と兄は言ってきた。
総務の美女も笑っている。
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