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ドラマでよく見てたみたいに、赤とか青とかのコードを切ればいいのよねっ。
だが、白い蓋をそっと開け、覗いてみた胡麻子は頭を抱えた。
赤も青もない!
コードは全部黒だった。
な、何故、こんなことに……。
私は、此処で張矢課長に告白したかっただけなのにっ。
入社したときから、ずっと憧れていた張矢課長にっ。
課長っ。
出世頭で、イケメンなところじゃなくて、くしゃみが可愛いところが好きですっ、と告白しようと思っていたのにっ、
と胡麻子が思ったそのとき、
「上原胡麻子。
こんなところに呼び出して、なんの用だ」
と言う声が入り口でした。
胡麻子の上司で、社内で一番人気のイケメン課長、張矢研介だった。
うーむ。
相変わらずだ、課長、と胡麻子は思う。
なんでこんなところに呼び出されたのか察しはついているのではないかと思うのに……。
研介はいつも通りの四角四面な感じの口調だった。
でも、こういうキャラなのに、くしゃみが踏み潰された猫みたいで可愛いのがツボなんだよな~、と思いながら、胡麻子は叫んだ。
「課長っ。
此処に爆弾がっ!」
そう言うと、研介が青ざめる。
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