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「お前……、俺を呼び出して殺すつもりだったのか」
いや、何故だ。
「俺がいつもお前を見ているのが疎ましくて、殺そうとしたのかっ」
「いや、気づいてもいませんでしたよ……」
どうやら、なにも察してくれてはいなかったようだ、と胡麻子は悟る。
でも、課長。
今、いつも私のこと見てたって、言ってらしたけど。
実は私のことが好きだったとか?
いやいや。
この人のことだから、出来損ないの部下を監視していただけかもしれないしな。
そう結論づけた胡麻子は、
やはり、告白しなければっ、
と覚悟を決めた。
そのためには、今すぐ、この爆弾を解体しなければっ!
そう思った胡麻子は研介に向かい、叫ぶ。
「赤と青のコードがないんですっ、課長っ!」
「なんだってっ?
時限爆弾のコードは赤と青と決まってるだろうっ」
テンパっている胡麻子は気づいていなかったが、実は研介もテンパっていた――。
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